
キッチン
エンタメ系の専門学校に通っていましたが、コロナ禍で対面授業ができなくなってしまったんです。演技の授業なのにオンラインでしかできないという状況が続いて、卒業まであと1年残っていたけれど「いる意味があまりない」と感じ、退学を決断しました。
大きな決断をした直後に、たまたまYouTubeでROOTSの採用動画が流れてきたんです。ポーカー文化を日本に根付かせるという挑戦に、新たな一歩を踏み出そうとしていた自分の気持ちがリンクして、「何かしら役に立てるんじゃないか」という気持ちで応募しました。ポーカーの知識は全くなかったけれど、それまで飲食店のホールやキッチンの経験があったので、面接では「役に立てるのはホールかキッチン」と率直に伝えたことを今でも覚えています。
サラダに使う葉っぱは、1枚1枚丁寧に扱っています。盛り付けも、頭の中にある理想の状態から「1mmもずらさない」というこだわりを持っています。唐辛子の位置がほんの少しずれていたら、それだけで違和感を覚えてしまうんです。
そこまでこだわる理由は、「お客様にとっては最初で最後のご来場かもしれない」という気持ちがあるからです。遠方から来てくれたお客様は、もう二度とROOTSに来られないかもしれない。だからこそ、ただ美味しいものを出して終わりではなく、その1皿がROOTSでの体験の一部として、人生の中で素敵な思い出になってほしいという気持ちで毎回作っています。
最初からこういう気持ちがあったわけではありませんでした。ROOTSのフードに関わり続けるうちに、気づいたら「いかにこの食材たちを輝かせられるか」という気持ちが自然と芽生えていたんです。
フードの知識をアップデートするために、休日は積極的に外食へ出かけています。有名テーマパークではシーズンごとの新作フードを研究したり、さまざまなレストランで食事をしながら、見た目・味・食べやすさなど多方面からインプットしています。そうやって得た刺激を、ROOTSのフードに少しずつ落とし込んでいくのがとても楽しいです。今後は片手で食べられるROOTSオリジナルフードをさらに増やしていくのが目標です。
フードチーフとして今一番難しいと感じているのは、ROOTSが増える中でフードのクオリティを統一することです。キッチンの機材や環境が地域によって異なるため、焼き加減や仕上がりが変わってくることがあります。リモートでやり取りしながら品質を合わせていく作業は、今も試行錯誤の連続です。
後輩を指導する時は、まず「なぜそうしたのか」を必ず聞くようにしています。その行動に理由があれば自分にとっての新しい視点になるし、もし違うやり方があるなら「お客様にとってこういう体験につながるから、こうした方がいいよ」と理由とセットで伝えるようにしています。すべての判断軸はお客様の体験に向かっているということを、一緒に働くキャストたちにも伝えていきたいと思っています。
もともと「自分でやった方が早い」というタイプだったんですが、フードチーフとして複数店舗のクオリティを担うようになってから、どうやったらみんなが同じ基準で動けるようになるか、どう伝えれば腹落ちするかを考えるようになりました。研修では「最初が肝心」という気持ちで、あえて細かく伝えるようにしています。
ROOTSに入る前、自分がこんなにフードに愛情を持てる人間だとは全く思っていませんでした。でも関わり続けるうちに、気づいたらそれが自分の一番の誇りになっていた。そういう発見って、やってみないとわからないことだと思うんです。
だから応募を迷っている人がいたら、「自分でも気づいていなかった何かを発見できるかもしれないから、ぜひ挑戦してほしい」と伝えたいです。こだわれること、楽しめること。それが人生においての大きな発見になると思います。
※掲載内容はインタビュー当時のものです。